ビジョンについて
滞在14日目,2週間が経過したことになる,が,今,見事に体調を崩しており,ここ数日間は寝込んで療養していた。
いろいろと張りつめていた緊張の糸が緩んだせいだと思う。ここではどうやらあまり気張って生活しなくともいいらしい,ということがわかったのだ,健康と引き換えに。元気になれば,あとはこっちのもんである。
今回,厦門に滞在していて思うのは,僕には徹底してビジョンというものが欠けているということだ。
ここに2ヶ月滞在することになったのも,元をたどれば自分の意志ではない。勧められるがままに,あれよあれよとここまできてしまった,つまり今回の滞在における具体的な目標は未だ決まっていないのだ,恐ろしいことに。
最初は,とりあえず元気に生きて帰る!!!という最低限のことを考えていたのだが,体調を崩し始めて寝込んでいるうちに,果たしてそれでいいのだろうか。。。という思いがふつふつと沸いてきてしまった。
貴重な学生としての時間を,ひとりで2ヶ月間,海外で過ごす。その経験値はおそらく得ようにもなかなか得られるものではないと,ようやく気付いたのだ。
今の段階で思いつく,ちょっとしたやりたいことを書いておこう。
まず,ここは図書館が素晴らしい。中国語の本はもちろん読めないのだが,英語の参考図書も豊富に蓄えられている,更なる学びのチャンスである(ディープ・ニューラル・ネットワークの原書とか中国のランドスケープエコロジー,園林に関する書籍に触れられるわけだから)。腰を据えてじっくりと本の世界に没頭できるのは,学生として滞在できる今しかできないことかもしれない。
加えて,調査計画をきちんと立てること,これがかなり重要だろう。今回,厦門でしかできない調査,あるいは日本から来た自分にしかできないアプローチで研究内容を考えるべきだと思った,そこにオリジナルが生まれるのだろうから。
できることならば,ここで得られたデータをもとにして,日本での結果と比較するなり参考事例として活用するなりができれば,自身の研究のアイデンティティの一部にもなりうるはず。
そして,ビジョンの話。自身の研究の中で決定的に欠けていると痛感するのは,アウトプットを具体的にどのようにして空間に反映できるのか,という部分である。
毎回,それっぽいことを書いて逃れてきていたのだが,そろそろもっともっと真剣に向きあうべき時が来たのかもしれない。来月のアタマまでに仕上げなければならない投稿論文(日本語ですが)の修正要求も今来ているのだけれど,そちらとも併せて,また何かステップアップできるような予感がしている。
今回の滞在は自身と,自身の研究と向き合う非常にいい機会だと捉えれば,おそらく2ヶ月などあっという間なのだろう。まずは体調を整えてからではあるが。